2018/12/31 23:58
2018年の風力業界の主な動き(Windpower Monthly誌 Highlights of 2018)
国際風力業界紙Windpower Monthly がまとめた、2018年の1年間の世界の風力業界の動きです。
欧州やインドは入札制移行後に落札価格は上下を続けて陸上風力市場は不安定化。
新規陸上市場縮小と価格競争で風車メーカ各社収益が悪化しました。

Windpower Monthly's highlights of 2018
https://www.windpowermonthly.com/article/1521625/windpower-monthlys-highlights-2018-part-1
https://www.windpowermonthly.com/article/1521654/windpower-monthlys-highlights-2018-part-2

1月 独Enerconが蘭Lagerweyを買収
   MVOWとSGREが飛行船によるブレード輸送を検討
   陸上風力のLCOEは2017年6/kWh→2020年5セント/kWhへ低下(IRENA)
   2017年の風力投資額(1070億ドル)は前年比12%減少(BloombergNEF)
   インドのFIT→入札制移行によるPPA価格低下が風力産業に打撃(SGRE)

2月 陸上風力コスト
    建設コスト: 1200~2000ドル/kW
    平均風速:     6m/s       8~9m/s
    LCOE:    5.9~10.1セント/kWh  3.8~5.5セント/kWh
   2017年新規シェアは1位Vestas、2位SGRE,3位Goldwind、4位GE、5位Enercon
   SGREが米国向けにSWT129-2.75を新発表
   ドイツの陸上風力入札(709MW)の加重平均価格は4.6ユーロセント/kWh(前回より上昇)
   インドの陸上風力入札(2GW)の平均価格は3.8セント/kWh
   Vestasがブレードに電熱器を仕込む着氷防止の寒冷地仕様を発表

3月 GEが次期12MW洋上風車(Haliade-X、直径220m)の仕様を発表。開発費は4億ドル。
   フランスの陸上風力入札(508.4MW)は平均価格6.54ユーロセント/kWh(前回から23%下落)
   オランダ洋上風力入札(700MW、Hollandse Kust Zuid)はVattenfallが補助金なしで落札
   独電力大手E.onがRWE子会社のInnogyを買収

4月 2017年の新設風車の平均出力は2.4MW(FTI発表)。今後10年間の風力市場の83%は
   中国、米国、インド、ドイツ、フランス、英国、ブラジル、メキシコ、トルコ、日本、
   オランダ、アルゼンチン、スペイン、台湾、カナダの15市場が占める
   ドイツの第2回洋上風力入札は平均価格4.66ユーロセント//kWhで落札(前回より上昇)
   ドイツで初回の複数種類電源混交の技術中立入札は全て太陽光が落札(風力は全部落選)
   独MaxBöglがタイに移設式のタワー向上を開設、週3基ペースで出荷開始
   風力水素のコストは2040年に3.2セント/kWhに低下、天然ガス由来(4.2セント)より安価へ
   台湾の洋上風力入札(3.8GW)でØrsted、Wpd、Northland Powerが落札

5月 ハノーバーメッセでEnercon幹部が海外重視への事業戦略変更を表明
   ドイツの風力入札で初の未達が発生。平均価格は5.73ユーロセント/kWh(前回より-1ユーロセント)
   Senvionは好業績にも関わらず、CEOのJürgenGeissinger氏が辞任、
   Windpower Monthlyが空中風車の将来性を特集

6月 GEが事業の一部(電力・航空)を再編
   ドイツでは許認可の遅れが、入札未達と価格上昇を招いている
   Senvionは4.2MWシリーズを米国で拡販
   Vestas幹部が、機器製造のみでなく発電事業にも進出を図ると話す
   デンマークの与野党が野心的なエネルギー協定(2.4GWの洋上風力を含む)で合意

7月 ギリシアの第一回風力入札は6.818ユーロセント/kWhで落札(過去最低価格)
   サウジアラビアの入札(Dumat Al Jandal 400MWを含む)は2.13セント/kWh 
   PetrobresとTotakがブラジルの太陽光・風力への進出を検討
   中国広東原子力(CGN)がスウェーデンのMarkbygden Ett PJ(650MW)の75%株式を買収
   米国テキサス州のWind Catcher PJ(GE2.5MW×800台=2GW)の開発が鎮座
   Dominion Energyが米国バージニア州で3GWの風力・太陽光開発計画を発表
、  Vestasが中国の営業部門を再編
   アイルランドとポーランドがFITから入札制への移行を準備
   英国は2019年5月から2020年代は2年毎に入札する予定
   2018年上半期の風力への投資は572億どる(前年同期比で33%増)

8月 Enerconがドイツの風車工場の生産削減を発表。コンクリ製から鋼製タワーへの移行に対応
   EnerconのEP3風車(3.5MW,4.5MW)の初号機がドイツ北部で運開
   NordexがDelta 4000 4.5MW風車(ロータ径149m)の初号機を設置
   ドイツの陸上風力入札は加重平均価格6.16ユーロセント/kWh(前回5.73ユーロセントから上昇)
   インドの風力入札は2.81ルピー(3.372ユーロセント)/kWh(前回2.43ルピーから上昇)
   デンマークのOrstedが米国のLincoln Clean Energyを買収して陸上風力に復帰
   米国では800MWの陸上風力が建設中、1.5GWが開発中(in the pipeline)

9月 GEが陸上低風速地域向けにCypress 5.3MW(∮158m、LM製分割翼採用)を発表
   MVOWがWindEnergy HamburgでV164の10MW化を発表。V174も商標登録
   風車メーカの2018年上半期売上が軒並み前年同期割れ。
   主因は風車価格の急激な下落(前年から20%低下)。 SGRE -25.5%、
   Vestas -3.4%、GE -19%、Nordex -28.6%、Senvion -46.5%、Suzlon -53.5%
   より一層の風力&太陽光の普及には大きな規制緩和が必要(DNV GL)
   フランス洋上風力入札は500MW枠に188MWしか応募無し。原因許認可の遅れ。
   フランスのFloatgen PJでIDEOLの2MW浮体式洋上風力が送電開始
   Senvionの新CEOはYves Rannou氏(元Alstom Wind社長)が2019/1/1に就任。

10月 Orstedが米Deepwater Wind(3.3GWの洋上開発権益を保持)を買収
   GE REは2018年第3四半期に大幅減益(前年同期2.17億ドル→0.6億ドル)
   韓国Unisonが4.2MW風車(ロータ径136m)のプロトタイプを設置
   独Aerodynが独自設計の4MW風車(ロータ径140m)を開発
   SGRE幹部の幹部で人事異動
   ドイツの陸上風力入札(670MW)は363MWのみ落札。加重平均は6.26ユーロセント/kWh。
   Suzlonがインド タミルナド州でハブ高140mのハイブリッドタワーの2.1MW S120風車を建設
   Veastasが豪州ビクトリア州に風車工場とサービス拠点を開設すると発表

11月 Goldwindが8MW洋上風車(ロータ径184m)の仕様を発表。2019年後半に初号機建設。
   英国で系統用蓄電池が2012年の2MWから現在は6874MWまで急増
   ドイツとフランスの技術中立入札では太陽光が風力を抑えて勝利
   豪州クイーンズランド州のKennedy Energy Park(風力・太陽光・蓄電池併設)の特集
   SGREは受注増(118.7億ユーロ)にもかかわらず17%の減収と発表

12月 日本で洋上風力新法が公布された
   米中の貿易戦争でPMSG用のレアメタルの調達リスクが懸念される
   アフリカのセネガルで最初のウインドファームTaiba N'Diaye(158.7MW)が運開