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2017/12/20 16:22
欧州の脱炭素化の動き(追記)
2017年11月6日~17日にドイツ・ボンで開催されたCOP23を経て、
世界は地球温暖化防止にむけた脱炭素化が急速に進んでいます。
この動きを日本のテレビや新聞も報道しています。

 激変する世界ビジネス “脱炭素革命”の衝撃 12月17日放送 NHKスペシャル
 http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20171217
 ・戸田建設の浮体式洋上風力への取組も紹介されました。
 動画:https://www.youtube.com/watch?v=fDP4jvma6Pk
    http://www.dailymotion.com/video/x6bt99k
 書起し:http://o.x0.com/m/643413
     https://jcc.jp/news/12979579/

 【まとめ&反響】NHKスペシャル「激変する世界ビジネス 脱炭素革命の衝撃」
 http://yonta64.hatenablog.com/entry/NHKSPECIAL/2017-1217-COP23

海外(特に欧州)では「温暖化ガス排出は将来の人類への犯罪だ」「経済優先で
CO2排出を続けるのは倫理にもとる」の認識(気候正義)が広がっています。
欧米系の銀行は石炭火力には「倫理違反」で融資できなくなっています。
(例外は日本の銀行だけ)

 「脱・炭素化」の動きは、もはや世界の常識だ 12月31日 東洋経済
 http://toyokeizai.net/articles/-/202931

 国際環境NGO5団体、世界金融機関大手42社の石炭火力発電への融資・証券引受額公表
 12月13日 Sustainable Japan、Yahoo News
 https://sustainablejapan.jp/2017/12/13/banks-paris-agreement/29596
 https://news.yahoo.co.jp/byline/shivarei/20171215-00079326/
 ・石炭火力への融資額は融資額は、みずほ銀行が世界1位(約115億2500万ドル)、
  三菱UFJ銀行が世界2位(約101億1890万ドル)。

 温暖化対策 日本50位 COP23 脱石炭火力の流れに乗れず 11月17日 東京新聞
 http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201711/CK2017111702000133.html

 グローバル資本の『石炭離れ』、世界の巨大銀行で鮮明 3月24日 Sustainable Brand Japan
 http://www.sustainablebrands.jp/news/us/detail/1188905_1532.html

欧州では、環境汚染や温暖化の外部コストと、産業振興等の便益を考慮した場合、
石炭火力よりも再生可能エネルギーの方が経済的だ、という認識が広がっています。

 再生可能エネルギーはなぜ世界中で推進されているのか 
 12月14日 再生可能エネルギー経済学講座(京大大学院 安田教授)
 http://www.econ.kyoto-u.ac.jp/renewable_energy/occasionalpapers/occasionalpapersno54

本気で温暖化を2℃以内に収めるなら、今後排出できるCO2には上限(1兆トン)があります。
これを守るには発電だけでは足りず、運輸(電気自動車)や製鉄・セメントでも対策が必要です。
製鉄・セメント業界の脱炭素化は製法(化学反応)的に難しく、発電や電気自動車より遥かにコスト
が掛かるので、比較的安価に対策可能な発電分野でCO2排出枠を使うのは費用対効果が悪いです。

 詳細は下リンクの12月6日のJWEA風力シンポでのJWPA説明の追補版参照。
 なぜ欧州は脱炭素化を進めるのか?
 http://jwpa.jp/pdf/20171206_JWEA_Sympo.pdf


一方、日本では系統連系の制約から、中々、再生可能エネルギーの導入拡大が進みません。
「停止中の原子力と計画中の石炭火力で満杯なので送電線に空きが無くて再生エネが入らない」
という現状は、世界の趨勢とは正反対の状況です。

 再生エネ普及を阻む大手電力会社の“壁”
 12月18日夜放送 テレビ朝日 報道ステーション(ニュース動画)
 http://news.tv-asahi.co.jp/news_economy/articles/000116952.html
 http://noraneko-kambei.blog.so-net.ne.jp/2017-12-20

なお系統制約に対して経済産業省も対応を図っています。

 送電線「空き容量ゼロ」は本当に「ゼロ」なのか?~再エネ大量導入に向けた取り組み
 12月26日資源エネルギー庁
 http://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/akiyouryou.html

しかし原子力と石炭火力に関しては経済産業省の意見は変っていません。

 エダヒロの「エネルギー情勢懇談会」レポ!
 https://www.es-inc.jp/energysituation/report/archives/2017_index.html

 環境省、洋上風力発電を推進 「脱石炭」へ再生エネ方針 経産省は早期転換に反発
 1月14日 産経新聞
 http://www.sankei.com/life/news/180114/lif1801140042-n1.html

                      以上


補注:温暖化懐疑論について

脱炭素化を温暖化懐疑論の観点から否定する人もいます。
しかしこの方々は多分、古い情報を元に誤解しています。
ここ数年の懐疑論の論拠は主に次の2点です。
 ・1998~2012年の平均気温上昇が止まっている(ハイエイタス)
 ・気温変化の原因はCO2ではなく太陽活動(スベンマルク説)
しかし両主張は現在は支持を失っています。

まずハイエイタスは2012年で終わり、2013年以降は急激に上昇しています。
つまり温暖化傾向はリバウンドしています。

 世界の年平均気温の偏差の経年変化(1891〜2017年:速報値)
 http://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/temp/an_wld.html

またハイエイタスの解釈や原因についても研究が進んでいます。
 http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/a/060800007/
 http://www.aori.u-tokyo.ac.jp/research/news/2014/20140901.html
 http://www.metsoc.jp/tenki/pdf/2014/2014_04_0051.pdf

次はスベンマルク説です。これは、
 太陽活動低下(黒点数減少)→(太陽系外に対するバリヤー役の)太陽風の弱化
 →高エネルギーな銀河放射線の地球到達量増加
 →放射線電離で雲の生成量増大(霧箱効果で雲核生成)
 →雲による太陽光反射量増大→地表到達太陽光の減少→寒冷化
という仮説です。

 銀河からの宇宙線が直接地球の天候を変化させている
 http://oka-jp.seesaa.net/article/374000576.html

1645~1715年の太陽黒点消失期(マウンダー極小期)が、ロンドンで
テムズ川が凍るほど寒冷期だったことが傍証になっています。

 中世の温暖期と近世の小氷期における太陽活動と気候変動 東京大学宇宙線研究所
 http://www.yoho.jp/shibu/tokyo/41miyahara.pdf

一方で2009年以降の太陽活動周期(サイクル24)は史上3番目の低レベル(少黒点数)でした。
次のサイクル25も同様だと予測されています。
マウンダー極小期ほどではないですが、ダルトン極小期並には低下しています。

 ここ400年の黒点数の推移
 https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Sunspot_Numbers.png
 太陽の異常は極限に 2017/12/22
 https://indeep.jp/solar-cycle-24-is-finished-in-historical-short-span/

スベンマルク説が正しければ寒冷化が進むはずですが、
2013年以降の気温観測データは逆に温暖化進行を示しています。

地球の平均気温と太陽活動のトレンドは、1980年以降は乖離が著しくなっています。
これはCO2の温暖化効果が太陽活動の寒冷化効果より大きいことを示唆しています。
 https://www.skepticalscience.com/translation.php?a=18&l=11
 http://www.cger.nies.go.jp/ja/library/qa/17/17-1/qa_17-1-j.html

以上のように数年前の温暖化懐疑論の根拠は、今は既に失われています。